本人・ご家族のためのやさしい案内

いま分からないことがあっても、
ひとつずつで大丈夫。

「乳がんと言われた。詳しい検査はこれから」というときに、いま知っておきたいことを、やさしい言葉でまとめました。

最初に知っておきたいこと

乳がんだと分かっても、
すぐにステージや治療が全部決まるわけではありません。

精密検査 = 転移
ではありません

治療を決めるために、しこりの大きさや性質、広がりを確認する大切な検査です。

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乳がんかどうかを調べる検査と、どこまで広がっているかを調べる検査は役割が違います。検査が増えたからといって、転移があると決まったわけではありません。

結果がそろってから、
次のことを考えます

ステージや治療の内容は、検査結果を合わせてから決まります。

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しこりの大きさ、リンパ節、遠くの臓器への広がり、ER・PgR・HER2などの性質を合わせて、治療の順番や薬を考えます。

結果が出る前は、
想像だけで結論を出さない

最悪の想像で結論を出すより、分かったことを一つずつ確認していく時期です。

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元気に見える・痛みがない・しこりがある、といった一つの情報だけではステージは判断できません。結果説明で「確定したこと」と「まだ確認中のこと」を分けて聞きましょう。

乳がんって何?

乳房の中で、必要以上に増える細胞ができる病気です。

多くは、しこりをきっかけに見つかります。しこりがあるからといって、広がり具合や治療内容まで分かるわけではありません。

もう少し詳しく

細胞は通常、増える・働く・役目を終えるという流れを調整しています。その調整が崩れた細胞が増え、周囲へ入り込むことを浸潤、血管やリンパ管を通って別の場所で増えることを転移といいます。

乳がんは一つの性質だけではありません。病理検査で性質を調べることで、合う治療を選ぶ手掛かりが得られます。

8人に1人女性が生涯で乳がんと診断される確率の目安(日本・2023年データ)

乳がんは
めずらしい病気ではない

これは日本の女性全体を対象にした統計で、2023年のデータに基づく目安です。本人のこれからを決める数字ではありません。「珍しいことではなく、検査や治療の仕組みが整っている病気の一つ」と知っておくための数字です。

数字の読み方を見る

「8人に1人」は、国立がん研究センターの最新がん統計(2023年データ)にある、日本人女性の生涯罹患リスク11.8%を読みやすく表したものです。統計は更新されるため、出典ページの最新値も確認してください。すでに診断を受けた本人のステージや、治療後の見通しを表す数字ではありません。

乳がんは患者さんが多い分、検査・手術・薬物療法・放射線治療などの経験と研究が積み重ねられています。実際の治療は、検査結果と主治医の説明で決まります。

次の検査で何を調べる?

いまは、治療を選ぶための情報を集める時間です。

1

見つかる

しこりなどをきっかけに、乳がんかどうかを調べます。

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診察、マンモグラフィ、超音波などで、しこりの場所や形を確認します。

2

くわしく調べる

大きさ・リンパ節・ほかの場所への広がり・がんの性質を確認します。

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針生検などの病理検査で性質を調べ、必要に応じてCT・MRI・PET・骨シンチグラフィなどを組み合わせます。

3

話し合う

先生と、いまの状態と治療の選択肢を整理します。

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ステージだけでなく、ER・PgR・HER2などの性質、体調、生活や希望も治療を考える材料です。

4

治療を始める

状態・体調・本人の希望を合わせて、治療を選びます。

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手術の前に薬を使う場合も、手術の後に再発を抑える薬を使う場合もあります。順番は人によって異なります。

ステージって何?

がんが、どこまで広がっているかを表す言葉です。

検査の結果を合わせて決まります。自分で症状から判断しないことが大切です。

0期・I期

乳房の中にとどまる、または小さい段階のイメージ

II期・III期

しこりが大きくなったり、近くに広がったりしている段階を含む

IV期

乳房から離れた場所に広がりがある段階

ステージの見方をもう少し詳しく

Tは乳房内の大きさや広がり、Nは近くのリンパ節、Mは骨・肺・肝臓など離れた臓器への遠隔転移を表します。これらを組み合わせて病期を考えます。

手術前の画像などで考えるステージと、手術後の病理結果を含めて見直すステージが変わることもあります。

「転移」って何?

がんの細胞が、元の場所から離れて別の場所で増えることです。

たとえば骨に転移した場合も、「骨のがんになった」のではなく、乳がんの骨転移として治療します。痛みだけで転移とは決まりません。画像の検査などで確かめます。

骨転移について詳しく見る

骨転移では、痛みや骨折、背骨での神経圧迫が問題になることがあります。乳がん全体への治療に加え、骨を守る薬、放射線、必要に応じた整形外科的な処置を組み合わせることがあります。

画像で気になる影があっても、炎症や良性の変化など別の原因があります。画像だけで決めつけず、主治医が必要な検査を組み合わせて判断します。

乳がんの転移は、乳房から血液やリンパを通って別の場所へ広がることがあります。
乳房もとの場所
血液・リンパ移動の通り道
別の場所骨・肺・肝臓など

治療はどんなことをする?

乳がんでは、手術、放射線を当てる治療、薬による治療を、状態に合わせて組み合わせます。手術の前に薬でしこりを小さくすることもあります。

どの治療が必要かは、ステージ、がんの性質、体調、本人の希望を合わせて決めます。

手術

がんを取り除く治療です。乳房を残す手術と、全体を切除する手術があります。

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腫瘍の場所や広がり、本人の希望などを考えて方法を相談します。放射線や薬物療法を組み合わせることもあります。

放射線を当てる治療

目に見えないがん細胞を抑えるために、手術後などに行うことがあります。

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どの範囲に、どの時期に行うかは手術の内容や病理結果などで決まります。

薬による治療

飲み薬、点滴、注射など。がんの性質に合う薬を選びます。

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タイプや状態によって、ホルモン療法、HER2を標的にする薬、抗がん剤、免疫療法などを検討します。誰にでも同じ薬を使うのではなく、検査結果に合わせて考えます。

治療の選択肢は増えている?

はい。がんの性質に合わせて、
治療を選べるようになってきました。

乳がんは多くの研究と治療経験が積み重ねられてきた病気です。ホルモンの影響を受けるタイプに使う薬、がん細胞の目印を狙う薬、抗がん剤、場合によっては免疫の力を利用する薬などから、その人に合う方法を考えます。

「乳がん」と一言でいっても、性質はさまざま。検査は、合う治療を見つけるためにも行います。

研究と治療の進歩を詳しく見る

分子標的薬や抗体薬物複合体(ADC:がん細胞の目印を狙って薬を届けるタイプの薬)など、がん細胞の特徴を狙う治療の選択肢が増えています。ただし、新しい薬が誰にでも合うわけではなく、ステージ・サブタイプ・これまでの治療・体調・副作用・保険適用などを踏まえて選びます。

検査結果を待つ間にできること

無理をしすぎず、ふだんの生活を。

基本はふだんどおり

医師から特別な指示がなく、強い症状がなければ、普段どおりの生活でかまいません。

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安静にすること自体で、がんの進行や転移を抑えると確認されているわけではありません。医師の指示がなければ、体調に合わせて無理のない活動を続けます。

処置後の指示を優先

生検などを受けた後は、運動・入浴・仕事について病院の指示を優先します。

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強い痛み、発熱、出血など気になる変化があれば、我慢せず病院へ連絡します。

説明は一人で抱えない

希望があれば、家族や友人に付き添ってもらい、メモを取ると整理しやすくなります。

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「確定したこと」「次に分かること」「今日決めなくてよいこと」を分けて書くと、帰宅後に整理しやすくなります。

結果待ちの生活をもう少し詳しく

安静にすること自体で、がんの進行や転移を抑えると確認されているわけではありません。医師の指示がなければ、無理のない仕事・家事・散歩などを体調に合わせて続け、急に強い症状が出たときは予約を待たず相談します。

予約を待たず相談する目安:急に強くなる痛み、強い息苦しさ、胸の痛み、急な手足のしびれや力が入りにくいとき。

病院でそのまま使える

先生に聞くこと
チェックリスト

全部を一度に聞く必要はありません。まずは「いまどういう状態か」と「次に何が分かるか」を聞ければ十分です。チェックはこの端末に保存されます。

まずはこれだけ
生活について
説明の最後に
詳しい質問チェックリストを開く

必要な項目だけ選んで使ってください。全部聞けなくても大丈夫です。

検査結果を詳しく聞く
ステージ・転移を詳しく聞く
治療の順番と選択肢を詳しく聞く
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覚えておきたいこと

いまは、分かったことを
ひとつずつ確認する時期です。

「乳がんである」と分かったことと、「どこまで広がっているか」は別の話です。分からない言葉は、そのまま先生に聞いて大丈夫です。

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